夏休みをいただいて、どうしても行きたかった展示を見て来ました。
昭和の絵師と呼ばれた漫画家・上村一夫(1940~1986年、享年45歳)の生誕80周年を記念して開催された「manazashi」(眼差し)。
原画の展示はもちろん、絶版になった書籍やグッズの販売をしていたのでエコバッグをたくさん持参して行きました。
図書館のように静かな蔦屋書店には、カップルや若い女性一人での観覧が目立ち、ちょっと驚きです。美大生なのでしょうか、熱心に眺めてスマホで撮影をしています。
上村一夫を知ったのは古い友人から進められて読み始めたのがきっかけで、女性を描く表情の美しさとダークなストーリーの虜になりました。
ほとんどの登場人物は刹那的に昭和という時代を生き、欲望に忠実です。どの作品も読後感は決して清々しいものではありませんが、その沼にはまったら最後。上村作品を読み漁った20代の頃から「関東平野」「同棲時代」を始め、阿久悠先生との共著「悪魔のようなあいつ」はドラマ化(1975年)された幻のDVDも買い揃え、収集に奔走した結果、現在でも本棚の2~3段は上村作品一色に染まっております。
2年前の引っ越しでダンボール17箱分を処分した書籍ですが、このコレクションは手放しませんでした。
なかなか手に入らなかった漫画と、線画の美しいイラストカードを購入し、満足度100%の夏休みが終了しました。(E)