幼稚園から高校までの15年間、
手抜きもあったが楽しんで作っていたお弁当。
いよいよ最後の日を迎えた。
幼稚園入園の説明会で、
「お弁当は好きなものを入れてあげてください。
初めて親から離れ不安な時間を過ごす中、
お弁当は最高のひと時となります…」
と、お話があった。
あれから15年経つが、
考えてみれば苦手なものは入れなかった。
小さい頃は食べやすいように
ご飯をボール状にして細かくちぎったノリを貼り付けたり。
タコさんウィンナーが上手に作れないので、
太めのソーセージをヒマワリのように切り込みを入れてみたり。
夕食がハンバーグの時は、
多めに仕込みお弁当用に小さく焼き、
味を付けずに冷凍したり。
お赤飯の時、ゴマ塩を入れ忘れ学校に届けに行ったり。
小さなお弁当箱から成長と共に徐々に大きくなった。
中学ぐらいからは、
温かい丼タイプが食べれる容器を使うこともあった。
母が私の高校卒業式で涙を流していたそうだ。
「もうお弁当を作れないのね~」と周りの方に話したという。
結局大学時も時々作ってもらっていたが。
その時の母の気持ちが今痛いほどわかる。
子供の成長を喜びつつ、離れていく淋しさ。
最後のお弁当でグッと思いを馳せていたが…、
夜遅く帰ってきた子供から、
「今から焼きおにぎり作ってくんない?」と言われた。
腹を立てつつホイホイ作る自分に呆れてしまう。
まだまだこの先もいろいろありそうだ。(m)