暦では春を迎えている。
昨日3月3日はひな祭り。
桃の節句だ。
ひな人形を飾り、
女の子の幸せと健康を願う行事。
平安耳朶の厄除けと人形遊びが元となっているようだ。
この時期に華やかに咲き誇る桃を飾り、
邪気を払うといわれている薬草で、
赤色はクチナシ、緑色はヨモギを混ぜ、
三段重ねのひし餅。
「四季を通じて女の子が幸せであるように」という願いを込めて、
桃・緑・黄・白の四色をそれぞれの四季に表したひなあられ。
白酒でひな祭りを祝う行事。
子供のころ母と一緒にお雛様を飾るのが大好きだった。
まず大きな木の箱を納戸の奥から出し和室に持ってくる。
その大きな木の箱も使いながら階段を作る。
赤い毛氈を階段にしいていく。
一段目に金屏風、左右にぼんぼりを立て、
内裏雛を飾る。
二段目は三人官女。
三段目に五人囃子。
四段目が随身の右大臣と左大臣。
五段目に三仕丁の台笠、沓台、立傘。
六段目と七段目にお道具類。
白い紙や綿で包まれたお人形を
ひとつひとつ丁寧に出していく。
胸の高鳴りと一緒に
階段がだんだんと華やかになっていったのを
昨日のことのように覚えている。
さてさて、令和6年のひな祭りは…。
当時から続いているちらし寿司。
あの頃は酢飯作りの際に団扇を渡され、
パタパタと扇いでもすぐに疲れてしまい、
右手に左手にと交互に扇いでいた。
今は右手におしゃもじを持ち左手に団扇。
部屋中に甘い酢の香りが立ち込めている。
この香りは今も昔も変わらない。
我が家に女はひとり。
今は小さなお雛様を飾っている。
それでもひな祭りは大切な我が家の行事だ。(m)