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【とこ湘Blog】「ある殺人、落葉のころに」見てきました!

投稿日:2020年10月6日
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こんにちは! とこ湘スタッフYです。

現在イオンシネマ茅ヶ崎で限定公開中の「ある殺人、落葉のころに」を見てきました。
監督が寒川出身で高校は茅ケ崎北陵高校、映画自体も大磯を中心に湘南エリアでロケが行われているなど何重にも地元に縁が深い作品で、公開したら絶対に見よう! と思っていたのです。

とことこ湘南では同作の取材記事を掲載させていただいたりもしていますが、このブログはスタッフが何でも好きな事を書いてしまうスタッフブログであり(過去記事どれでも参照)、私一個人は「TENET」が微塵も理解できずただただ画面を見上げるのみになってしまったスペックの持ち主、特に好き好んで見ているジャンルは「生身の人間が素手で戦う系映画(多少の武器の所持もOK)」という人間なので、以下の感想は大した内容ではないのですがどうかお許しいただきたく存じます m(_ _)m

まず、そんな私が見ても、「ある殺人~」は非常に面白かった、ということだけはお伝えしたいです。
「最も不可思議(ミステリアス)な湘南映画誕生」という惹句が印象的で、「自分には到底理解が追い付かないかもしれないな…」とある程度覚悟していたのですが、まったくそんなことはなかったんですね。

確かに起こる出来事は謎に満ちているのですが、今何が起きているのか全然わからない、どうしてこうなったのか理解できない、ということは無いんです。
何が起きているのか何となくはわかるんだけど、はっきりと明示はされないので断言することができない。多分こうだったんじゃないかな? でも違うかも。こういうことかも…と、答えが定まらない。
難解なのではなく、考える余地がある、解釈が開かれているという感じです。
それでいて、時が止まったように静かな大磯の町並み、自然でリアリティに満ちた台詞と役者さんの演技が心地よく、いつまででも見ていられそうな気がしてきます。終わったとき、もっと続けばいいのにと思いました。

作品名に「殺人」とありますし、実際に作品内でも死が描かれてはいますが、「謎」を解こうとする人物、所謂「探偵役」がいないんですね。謎解きのシーンも無い。 登場人物たちは謎の中にどっぷり浸かったままそれぞれの意志で人生を進めるのみで、ある1つの解決に向かうわけではないんですね。
だから最後まで見て、もやもやする方もいるかもしれません。
でもそのもやももやがお土産であり、誰かと「あそこわかんなかった」「自分はこう思った」とか語り合うと、より楽しめるのではないかと思います。

三澤監督が、インタビュー記事の中で影響を受けた監督としてデビット・リンチの名を挙げられていたのですが、これが私的にはかなり鑑賞の際のヒントになりました。
リンチが脚本・監督を務めたドラマ「ツイン・ピークス」では、(一見)のどかな田舎町で謎の死を遂げた女学生ローラを殺したのは誰なのか? という犯人探しが話の主軸なのですが、当初リンチは犯人が誰かを最後まで描くつもりはなかったそうなのです。
ただあまりにも人気が出てしまい(今見るとこんなアバンギャルドなものがメジャー作品として熱狂されて日本ではジョージアのCMにまでなるなんて凄い、信じられないと思いますが。当時にタイムスリップしてみたいです)、ファンたちの間で犯人探しも大いに盛り上がったために犯人判明シーンを作らざるを得なくなったそうで、リンチは本当は犯人を決めたくなかったのだとか。(調べ直さずに記憶のままに書いているので違っていたらすみません)
「ある殺人~」を見て鑑賞後の後味を噛みしめながら、本当はツインピークスもこういう風にしたかったのかもな、と思いました。
種明かしで失われるものってありますよね。ホラーなんかも怖くなくなりますし。

今まさに書いていて思ったのですが、「ブルー・ベルベット」とも通底するものがありそうですね。
のどかな、穏やかな風景の中でも、そこにいる人たちの心の中までそうとは限らない…。
と、ここまで書いてまた思ったのですが、私がこの世で一番好きな作家ジム・トンプスンも殆ど毎回そんな感じなので、その感じがまさかの湘南、大磯というこれ以上なく身近な風景の中で起こるのは最高に決まっていました。

あ、そうだ、BGMと共にタイトルが出るタイミングも、格好いいです。
うわー、面白い映画が始まる感じだな! という高揚感を感じます。

感想が下手すぎて完全に息切れしてきたので予告編を貼っておきます。
本当はもっと内容について具体的に言いたいのですが、ネタばれになるので避けました(ネタバレで詰まらなくなるタイプの映画じゃないですが)。
ぜひ、ご覧になってください。そしてどこかに感想を書いてください。見に行きます(笑)

 

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“最も不可思議な湘南映画”「ある殺人、落葉のころに」三澤拓哉監督インタビュー

(Y)

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