こんにちは! とことこ湘南編集部のYです。
最近はアマプラの「ザ・ボーイズ」とネトフリの「コブラ会」が人生の楽しみのボンクラです。
それはさておき、「パブリックアート」ってご存知ですか?
【パブリックアートとは】 公共空間のための芸術作品のこと。博物館・美術館やギャラリーのような専用の展示スペースではなく、公園や市街地、または各種公共施設の敷地や建物内などに恒久的に設置されている芸術作品を指す。(定義については今なお議論されている) |
ということで、定義は議論中ということですが、取り敢えずは公園や町中にある銅像やオブジェ。あれがパブリックアートだと思ってください。
皆さんそれぞれ、お住まいのご近所やいつも使う駅前なんかにも絶対にあると思うのですが、アートというには余りにも日常の風景の中に馴染みすぎて、アートとして意識してなかったりしますよね。
藤沢市では2018年に、そんな市内のパブリックアートについて情報を集め、冊子を作るプロジェクトが始動。(「藤沢で再発見!まちのアート探訪「Fujisawa Art Re;public」 ※現在は終了)
そして今年ついに、冊子が完成したのです!!
それがこちら。タイトル下に載っている、丸みが何だかかわいいシルエットの像、見覚えありませんか?
藤沢市民会館の前に鎮座している「核兵器廃絶平和記念像(平和の母子像)」です。
この冊子を見ると、これが神奈川県生まれの彫刻家・熊坂兌子さんの手によるものであること、台座のレリーフパネルは夫のサール・シュワルツさんによるものであることなど像の詳細がわかったり、更には熊坂さんご本人のインタビュー記事が載っていたりします。
これまで本当に何気な~く見ていた町中のオブジェたちに、それぞれ作者が居て、制作に対する思いがあって、ここに置かれたんだ! ということを改めて知ることで(考えてみれば当たり前なんですが)、”アート”として新たな視点を持つことが出来ますし、ますます親しみや興味が湧いてきます。
冊子を入手したことで居ても立っても居られなくなってしまった私は、早速実際にパブリックアート巡りを開始。
今回はその成果をブログに…と思って写真を整理していたら既に30枚強あったので、その一部のご紹介とします。
まずは、藤沢駅周辺。
北口コンコースにそういえばある鳥の像。これも「核兵器廃絶平和宣言都市宣言」に関連する平和モニュメントだそうです。
市役所に行く際、いつも謎だったこれ。ダイソンにこんなのがあったような気がするのですが…ありましたよね?
これは前田 耕生さんによる「大気の臼」という作品だそうです。「藤沢市の様々な日常の音、あるいは市民の声を臼状のフォルムで集める装置でもある」(同氏の言葉。冊子より引用)とのことで、それを知るとここに向かって何か言ったりしたくなります。
「大気の臼」って題名、とても格好いいのですが、オブジェの周辺のどこにも書いてあるわけではなく、冊子を見ないとわかりません。
めぐっているとわかってくることなのですがパブリックアートは意外と作者名、作品名、作品解説といった情報が一切なく、ただ像だけが佇んでいる、ということがよくあります。
美術館とは違い、ただアートだけが存在しているため、余計な情報なしに向き合い、観賞できるとも言えますが、やはり私のようなアートの造詣が無い人間にとっては冊子が非常に有難いし、何より照らし合わせることが謎解きにも似ていてとても楽しいです。
臼のすぐ近くにあるこちらは「海」。完全に不動産屋さんの敷地内と思える場所にあるのですが、先に像があって、後から建物が出来たのでしょうか?
看板やのぼりに囲まれ、角度によっては像が隠されてしまっているのですが、このように”非アート”な空間に忽然とアートがある感じも、パブリックアートの味かもしれません。
東海道線で山の連なる風景を見ていたら突如現れる大船観音に感じる異物感のミニ版のような、この日常の中の違和感が、私は好きです。
駅南側の「地」(=上写真)も、同じ高田博厚さんによる作品で、もう1つ「空」という作品との3部作なのだそうです。こうなったら「空」も撮りに行かないと…!
「みぎわ」とは…。ちびまる子ちゃんの登場人物を思い浮かべましたが、勿論違います。波が打ち寄せる濡れた砂地のことを”みぎわ”と言うそうです。
優しい表情で、腕を組んで佇んでいますね。町中ですが、静かな波打ち際、波の音を想像しました。
まだまだあるのですが今回はこの辺で。
冊子は無料配布中なので、ぜひゲットしてみてください! ここでしかわからないことがいっぱい載っていて、大変お得な気分になります。
ちなみに、個人的にもう1つパブリックアート巡りに最適なツールがあるのですが、それは…
ポケモンGOです。
結構パブリックアートがポケストップになっているので、具体的な場所を探すのにばっちりです!
しかも補足情報として作品名や作者名まで書いてあることもあります。
ちなみに上記で例に挙げた「水・浮遊」ですが、なんと冊子に載っておりません。(時期が限定された作品や一部の記念碑など、事情により掲載していない作品もあるそうです)
例によってオブジェ周辺には何ら情報は存在せず、ポケストップの「水・浮遊」の文字が情報のすべてです。
うーんミステリアス!
引き続き調査を進めていきたいと思います! (Y)
冊子の詳しい情報はコチラ⇒ 「藤沢のパブリックアートをまとめた冊子が完成しました!」【無料配布】藤沢市アートスペース