こんにちは! とことこ湘南編集部のYです。
緊急事態宣言が解除され、営業を再開した109シネマズ湘南で、久々に映画を見てきました!
一時期はストップになっていた座席を指定しての予約は先週から復活していました。やっぱり便利! 当たり前だったシステムがこんなに有難かったとは!
作品はコロナ禍でもこれだけは絶対に見に行きたいと思っていた「ランボー ラスト・ブラッド」です。
(ここで1のメインテーマ)
ベトナム帰還兵ランボーの戦い(色々な意味での)を描いたシリーズで、これまでに「ランボー」「ランボー 怒りの脱出」「ランボー3 怒りのアフガン」「ランボー 最後の戦場」4作が作られています。
リアルタイムで見ていた訳ではなく後追いなので、スクリーンで見るのは今回が初めて! どうしても見逃せないと思っていたので感無量です。
同世代でも私の周りでは誰も見ていないのでちょっとシリーズのご説明を。
公式の画像を使うわけにもいかないのでクックで描いてみました。結果、全然伝わらないと思いますがご容赦ください。(イラストは漠然としたイメージです。実際のシーンとしては存在しなかったりします)
※最新作はネタバレを避けますが旧作はネタバレしています。ご注意ください!
シルベスター・スタローン演じるランボー(本名:ジョン・ランボー)はベトナム戦争を戦い抜いてきた帰還兵。
現地では恐ろしいまでの強さを誇り、向かうところ敵なしといった塩梅だったようなのですが、心の奥底が傷付き、酷く無口で自分の殻に閉じこもっています。
かつての戦友のお見舞いにと訪れたとある町で、見かけるなり逮捕されるランボー。
「怪しい奴だ!」と心無い扱いを受けてしまいます。とても可哀そうです。
当時は「PTSD」に対する理解も薄く、実際にランボーのような孤立感を感じている帰還兵も少なくなかったそうです。
ランボーは警察たちに乱暴に扱われているうちに、ベトナムでの悪夢を思い出し、大暴れして逃走、山の中に立てこもって籠城戦を構えるも、かつての上官(トラウトマン大佐)の説得により降伏します。ここまでが1の話です。
この1はとても名作で、私はシリーズの中でもやっぱり特別に好きです。(他も全部それぞれ好きなんですけど)
最後に降伏したランボーが心の内を吐露するシーンは胸を打ちます。
若き日のスタローンの体を張ったスタントも見事で、崖から落ちて実際に出来てしまった傷を「使える!」とばかりに、傷を縫うシーンを撮影したというエピソードは有名です。他にも良いシーンだらけなのでとてもお勧めです。
こうして1作目で逮捕されたランボーでしたが、出してもらうのと引き換えにベトナムの捕虜奪還作戦に参加したり(2作目)、1作目で説得に来てくれたトラウトマン大佐が捕まったというので助けに行ったり(3作目)と、運命に流されるようにあちこちの戦場で戦うことを余儀なくされます。
1作目はかなり切ない作品でしたが、2~3作目はドンパチ色の強い、午後ローを付けたら途中から見てしまうタイプの戦争映画って感じです。
ランボーシリーズを1作も見ていない人が思い描く、「なんかスタローンが上半身裸でマシンガン撃って大爆発って感じじゃないの?」ってイメージはこの辺の作品から来ていると思います。実際に見てみるとまさにその通りの内容なので期待を裏切られることはありません。
しかし大事なのは、ランボーは戦うことが好きなわけではないのです。
心の奥底ではトラウマを抱えていて、年齢を重ねても癒すことができないでいます。
なので作品内ではトラウトマン大佐に、作品外では私のようなファンに「また戦場に行って欲しい!」と望まれ続けるのはとても可哀そうな事なんです。
替わりの利かない、最強の兵士であることは、本人にとっては悲劇でもあります。
そんなランボーもそろそろ老境を迎えた第4作「最後の戦場」では、ついに故郷に帰っていきます。
良かった良かった………
エンディングでは、ただただ静かに遠ざかっていくランボーの背中がいつまでもいつまでも映っています。
これが「他に何か起きるんじゃないか?」と思ってしまうほどとてつもなく長いのですが、とてもいいシーンです。
この時点で2008年。1作目からは26年の月日が経っています。ランボーもスタローンも還暦を超えました。やっと戦いから遠ざかって静かに生きていけるのでは…と思い、ファンは皆泣きながらその姿を見送ったはずです。
なのに2019年、最新作「ランボー ラスト・ブラッド」。
最初は「流石にもういいよ!!」と思いました。ランボーを休ませてあげてくれ!! どうしてまた戦わなきゃいけないんだ!!スタローンの人でなし!!とまで思いましたが…映画としては最高でした。(可哀そうではあるんですけど)
故郷に戻ってきたランボーは、親の農場を受け継ぎ、同郷の女性とその孫娘(母親は亡くなり、父親は出て行ってしまったそうです)と、本当の家族の様に、幸せに、仲良く暮らしていました。
もう「ランボー 何もない1日」というタイトルに変えて、今ここで終わってくれと思いますが、そんなシルバニアファミリーみたいな生活が続く筈もなく…
平和はあっけなく破壊。ランボーは怒りを爆発させ、最後の戦いに挑みます。
~「クックと振り返るランボー」終わり~
さて、こんな感じで私は(そして無数のアクション映画ファンは)大好きなランボーシリーズ及びスタローンですが、アカデミー賞のパロディで「最低の映画を決める」賞、「ゴールデンラズベリー賞(通称ラジー賞)」を取りまくっています。
1作目は映画作品としても名作ですし、4作目もしっかり硬派に作り切っていたためか受賞していませんが、2作目・3作目は最低作品賞、最低主演男優賞、最低脚本賞、主題歌賞、10年間の最低男優賞(そこまで!?)等々を欲しいまましています。
そして今回の「ラスト・ブラッド」も堂々の受賞!!
「最低リメイク・パクリ・続編映画賞」
「最低人命軽視と公共物破壊しまくり作品賞」
の2冠です!!
後者なんかはアクション映画としてはむしろ栄誉とも言えますが、個人的には異論を唱えたい点もあります。
確かに今回はシリーズでも屈指のバイオレンス度を誇りますが、1作目から振り返ってみれば、ランボーは元々強かったわけではなく、アメリカ軍が戦争に勝つために鍛え上げ、作り上げた殺人マシーンなのです。国がランボーを作ったんです。
つまりはランボーが冷酷であればあるほど、それだけ人を変えてしまう戦争の残酷さ、身勝手さが浮き上がることになるわけです。
人命軽視どころか、反戦映画です。(個人の暴論です)
本作の副題「ラスト・ブラッド」は1作目の原題「First blood (先に仕掛けたのはどちらか、というような意)」と対になっています。
これまでと毛色の違うところも多いですが、通底している点も多く、クライマックスは「これこれ!」と令和の世にランボーと再会できたことが嬉しくなりました。
109シネマズは現在もまだ席数を絞っての上映ですし、場内では細やかに注意喚起と対策が行われるなど、安全に営業をするために色々と大変そうでしたが…やっぱり映画っていいなぁ~。最高です。
スタッフの皆様の努力の上で、こうして再び映画館で映画が楽しめることは本当にうれしく、頭が下がる思いです。
とことこ湘南の「109シネマズ湘南 今月のおすすめ映画」のページもここ2カ月お休みしていましたが、明日7/1~復活します!
安全に留意しながら、また映画館で映画を楽しみましょう!
ランボーもぜひよろしくです😊
(R15+なので苦手な方はご注意!)