まだ寒いころ、梅(うめ)の花がさき始めます。でも、花に寄ってくる虫は、一見したところ、みあたりません。
花は、虫の力も借(か)りて、めしべに、おしべの花粉をくっつけます。それが種のもとになります。皆さんが食べている梅干しも、そうやってできたものです。
実は、虫はいたのです。ちいさなアブが飛んでいます。梅林などに行くと、見つけられると思います。
それにしても、もっと遅くさいても良いのではないでしょうか。春まっさかりのころなら、もっと虫も増(ふ)えていることでしょう。
ところが、そのころにはもっとたくさんの種類の花がさいています。梅の花に、確実に寄ってくれるとは限らないのです。
梅は、まだほかの花が咲かないころにさいて、虫の注意を引きつけているのでした。