「古代エジプトの文明では、シリウスという星の動きから暦をつくり、1年を365日としたそうだ。」
生徒(中1)「どうやって決めたんだろう。」とつぶやいています。
「…そうだな。ちょっと調べておくわ。」
星は、毎日同じ時刻に見ると、位置が少しずつずれていきます。シリウスの光る南半分の空では、1日のうちでも、東方から地平線上に登り、やがて南、そして西方へと移動します。
ちょうど何百何十何日かたった同じ時刻、星はまったく同じ位置へと戻ってきます。
しかし当時、同じ時刻と言っても時計がありません。日時計はあったそうですが、夜はつかえません。どうしたら良いのでしょう。
そこで、時を夜明け直前とします。決まった位置から、夜明け直前に地平線上にシリウスが出てくるのは、365日後だったのです。
「シリウスが出たぞ。そしてすぐに太陽がでた。1年のはじまりだ。」
この日以降、ナイル川の水位が上昇し、農地が潤います。その日は、新年の始まりだったそうです。