これまで、梅雨時の体について書いてきましたが、みなさんいかがでしたか?
さて、今回からは、こうした梅雨時に現れる共通のポイントを理解し、これをうまく経過させていくための体操や対処法をお伝えしていきます。
今回は「滞った汗の対処法」です。
・滞った汗の対処法(1)蒸しタオル
汗がなかなか出ない人の特徴は、胸椎5番の可動性が悪いことです。
この椎骨は、左右の肩甲骨を挟んだちょうど真ん中辺りに位置しています。この椎骨に力を集めて緩ませるための「胸椎5番の体操」等がありますが、今回はイラストがないため、後日作成したところで掲載します。
代わりにこの箇所へ蒸しタオルを数回当てることをお勧めします。
[やり方]
少し分厚めのタオルを用意し、水に浸した後しっかり絞り、電子レンジで1分10秒程度(600W)温めます。胸椎5番を中心にしてタオルを当てがいます。
熱すぎる時は、1、2度パタパタと振ると少し冷めてきます。
初めは少し熱いので緊張しますが、実はこの緊張が必要です。
時間経過とともに温度も下がり、それと共に患部周辺の緊張が取れることで緩んできます。
5分程度当てた後、少し冷めてきたらもう一度電子レンジで温め直します。2度目以降は余熱があるので、電子レンジで温める時間を適宜短くしてください。
これを2~3回繰り返します。
・滞った汗の対処法(2)温浴法
蒸しタオル以外では、温浴法があります。
汗を出すための方法としてお勧めしたい温浴法は、次のようなものです。
[やり方]
①普段、自分が気持ちよいと思う温度のお湯に、自分がちょうど緩んでくるまで浸かります(個人差あり)。
②1度お湯から上がります。その後、お湯の温度を2~3度上げます(差し湯でも追い炊きでも構いません)。
③お湯の温度が設定できたら、もう1度お湯に浸かります。
④お湯の熱さで緊張しますが、20~60秒程でフッと緩む感じが出たら、それ以上長湯せず、そのまま湯船から上がります。
この手順で行うと、④の直後に一気に汗が吹き出します。
この方法は、長時間お湯に浸かるものではないので、体への負担は少ないでしょう。
汗の出が悪い人だけでなく、体が重く怠かったり、体調がいまいちのだったりする時に行うと、とてもスッキリとしてきます。やはり、汗を出すととても気持ちがいいので、是非お試しください。
・お勧めできない対処法
逆に、汗を出す方法としてよくあるのが、サウナや熱めのお湯に長時間入ること、さらには部屋の温度を高くして行う運動の類があります。
一見、汗を出してデトックスになるように思われますが、これらの方法は汗の出にくい人には負担が大きく、お勧めできません。
どちらも汗がうまく出る人ならば、長時間にならなければあまり問題ないのですが、汗が出にくい人にとっては、そもそも体温調整が効かないので熱だけが籠ってしまい、体の中は蒸し風呂状態。その意味からもこれらの方法はお勧めできません。
これまでも、腎臓の働きにまで影響を及ぼしてしまい、肋骨が異常に硬直した人がいました。
流行りの健康法にすぐ飛びつかず、体の仕組みや働きをきちんと理解することも、行う側にとってはとても大切ですね。
まずは、今回ご紹介した方法をお試しください。
次回に続く