前回までは梅雨によく現れる症状を整体的に読み解いてきました。
今回は、その原因となる湿気と汗の処理について書いてみます。
・出口を見失った汗はどこへ?
発汗は体温調整を行うために必要可決な体の機能です。ところが湿度の高い状況では、毛穴が塞がれてしまい、うまく汗を出せず、不要な水分が外に排泄できなくなりがちです。そうなると体は非常に重怠くなってきます。中には浮腫(むく)みとなってくることもあります。行き場を失った水分を体外へ捨てなければなりませんね。
そこで体は小便という作業にシフトしてきます。ここで活躍するのが腎臓という臓器です。血液を濾過して余剰水分を膀胱に送る役目を行います。
冬場の寒い時期に腎臓は一生懸命働いていましたが、ようやく春から夏を迎えるこの時期は、体温調整を発汗作業に任せられてくるので、ようやく一息を付けるはずでした。
ところが、雨期に入ったために行き場の無くなった汗の代わりの作業を担うため、腎臓は大慌てでオーバーワーク気味になることも。濾過作業が追いつかなければ体がむくみ、体全体に疲労感を覚えてきます。
こうなってくると、上体を支えていた腰も下がりだし、その力が一気に脚へと流れ落ちていきます。この時期に脚・足のトラブルが頻繁に出てくるのは、元を辿っていけば、湿気によって汗がうまく出せなくなり、それを腎臓がカバーすることでオーバーワーク気味となり、そのつけが脚の様々なトラブルに繋がったのです。
続く