前回は、梅雨時によく現れる体の症状として、脚(足)に様々な違和感が出てきたことをお伝えしました。
これ以外にも、梅雨時には共通する症状が現れてきます。
・梅雨時の症状
体が重怠い、風邪ではないのに咳が続く、耳鳴り、足腰が重い、ふくらはぎや足指・土踏まずが攣(つ)る、膀胱炎、等々。
実はこれらの症状は、梅雨時によく現れる現象です。思い当たる方も多いのではないでしょうか。そして、これらの症状が現れるきっかけが湿気だということ、ご存知でしたか?
・原因は雨期による湿度
さて、早いもので、つい4か月前までは冬でしたね。
その寒い冬から温暖な春を迎え、さらに季節は暑い夏に向かっていきます。気温の上昇に合わせて、体もまるで衣替えするように緩んできて、皮膚の毛穴を広げて発汗が促されてきます。
こうして体は熱い夏に備えてくるのですが、その気候変動に待ったをかけるのが梅雨です。
・発汗作業の滞りが引きおこす梅雨時の症状
梅雨になると、どんよりとした日や雨の日が多くなり、非常に湿度の高い状況が続いてきます。こうなると、夏に向かって進んでいた体温調整としての発汗作業がうまくいかなくなり、体に水分が残ってしまいます。まるで乾きの悪い部屋干しの洗濯物のようで、とても重怠さを感じてきます。
・喘息のような咳が続く
私どもの整体法では椎骨(背骨)やその周囲の状況を確認するのですが、このような状況を呈してくると、胸椎5番という椎骨に変動があることが確認されます。ここは「汗の出」に関係していますので、この椎骨の動きが鈍いと発汗作業がうまくいってないことがわかるのです。
湿度が高くなったことで汗が思うように出せず、このために毛穴が塞がれ気味となり、いわゆる皮膚呼吸にも影響が及んできます。
皮膚での呼吸が十分にできなくなれば、通常の肺呼吸にも負担がかかってしまいますね。そのため息苦しさを覚えてくるので、思わず知らず上体が前にかぶり、胸部を圧迫してくる姿勢を取ってしまい、酷くなるとまるで喘息のような咳が続くのはこうしたことの現れです。
また、こうした姿勢を取ってしまうことで、呼吸器ばかりでなく食道にも圧迫がかかるため、食べた物が喉を通りづらいといった症状を感じる人も現れてきます。
このような状態になってしまうと、気分的にもどうしても落ち込んでしまうのですが、まさに体と心が一体であることの現われと言えます。
・梅雨時の姿勢が耳鳴りを引き起こす
また、こうした姿勢になると首(頸椎)にも影響を与えてきます。特に耳に関係する頸椎4番を圧迫してくるため、耳鳴りなどの耳に関するトラブル現象を引き起こすことになってきます。耳がフタをされているような感じを訴えてくる人が増えてくるのも、実はこうした現象からきています。
※次回に続く