10月16日に玉川学園コミュニティセンターにて平井澄子記念音楽振興会コンサートが催されました。
会場は駅北口から直結、屋根もついている通路を渡ってすぐなので、雨に濡れる心配もなく非常に便利でした!(16日は雨天ではありませんでしたが。)
この会は私が尊敬してやまない平井澄子先生の音楽作品を後世に残すべく、春は山梨県大月市、秋は東京近郊にて定期的にコンサートを開いています。
子どもたちの発表はわらべうた・童謡です。
・ずいずいずっころばし・ひらいたひらいた・夕やけこやけ・京のわらべうた
ベテランの先生方による発表は連篇歌曲「愛の世界」の中から3曲。
・八木重吉「をさない日」・炭太祇「初恋や」・梁塵秘抄「恋しとよ」
私は「新曲ツルの巣籠もり」を4月に引き続き再演。この曲は平和に暮らす鶴の群れに、ある日獰猛な鷹が襲いかかり・・という朗読と共に演奏します。穏やかな日常が突然暴力により踏みにじられるというストーリーは、まさに今現在起こっている状況に重なります。場面展開も激しく、演奏は転調に次ぐ転調、そして左手の押し手も駆使しするため大変な難曲です。この曲を弾くと左手の指先にマメがガッツリ出来て指紋が消えます(>_<)
そして遠藤登志子さんの昔話による物語唄「木魂婿」も演奏しました。語り、唄の他にお杉、庄屋、ウドなどの役柄があり、演奏は箏、三味線、横笛、打楽器が入ります。村に古くからある杉の大木と、村の庄屋に生まれた娘との悲恋の物語です。人間ファーストで傲慢な行いから引き起こされる悲劇。美しい切り絵を投影しながらの発表でした。
強いメッセージが込められた昭和の作品は現代的ではありません。演奏者も減少し、守っていかなければ消えてしまう作品が数多くあります。出来れば多くの人、願わくば子どもたちに見て貰って何か感じてくれたらな・・と思います。
おかげさまで今回の公演は当初予定した140席を上回る来場者数でした。