今年の夏は花火大会やお祭りも大々的に行われ、浴衣をお召しになった方も多いかと思います。
浴衣姿の足元は素足に下駄が定番。
でも最近は普通のサンダル履きやスニーカー(!)で歩く姿も見かけたりして・・。
和装も自由度が高まっているようです。
私は熱帯のような暑さに負けて浴衣は着ずじまいですが、下駄は履きました。
6月のつるのこマルシェの時に。
実はその時、下駄の裏の金具が片方取れてしまって、踵も少し欠けてしまい、少なからずショックを受けました(>_<)
桐の下駄は柔らかいので、欠けたりすり減ったりしてしまいます。
インターネットで調べたら、金具は無くても使用に問題はなく、江戸の人はむしろつけなかったようです。
でも江戸時代と現代では道路の状況も全然違いますね。
この下駄は茅ヶ崎駅前の昔ながらの履物店で一目惚れして即決購入した(私にしては珍しく!)大切な品です。
店主のおじいさんが「これはいいよ。千両下駄って言うんだ。」と教えてくれました。
鼻緒の締まり具合を自分の足に合わせて調整して貰うという、初めての体験に心踊ったことを鮮明に覚えています。
それからは下駄や草履の修理などはそのお店を頼りにしていましたが、ご高齢のご主人お一人なので「跡を継ぐ人はいるのかな~?心配だな~」と内心案じていましたら、予感的中。
コロナ禍以降もずっとお店のシャッターが開かない事態に・・・(泣)
これは困った・・インターネットで履物店を検索するも、下駄の修繕をしてくれそうな昔ながらのお店は恐らくご年配の方がされているので、ホームページ等が無いのです。
やっと一軒、藤沢駅前の履物店を発見し、自転車を50分こいで(執念(^-^;)行ってみました。
店主はやはりご高齢とお見受けするおじいさんでした。
鼻緒のすげ替えもして下さると言うので、最近頂戴した黒い駒下駄の鼻緒を別の物に変えることにしました。
元々は赤と黒のモールを捩ったような鼻緒でしたが(固くてちょっと痛い)、シックな紺と薄紫の縞にチェンジです。
やはり私の足に合わせて鼻緒の締め具合の調整もして下さって、とても履きやすくなりました。
その後、鼻緒の根元の結び目を覆う、例の金具の取り付け作業です。
おじいさんはそれに手こずっていたようで、困った顔をして「私は今97歳なの。大正生まれ。夕方は目が見えないの。」と仰って、極小の釘を打つ作業が難しいから金具代を返金すると言います。
「それなら自分でやってみるので金具と釘を下さい!」と言ってお金はお返ししました。
うちには手先の器用な娘がいるので、不器用な私が無理でもきっと大丈夫!
茅ヶ崎の履物店のことをお話ししたら「あそこはうちよりもっと年長だ、100越えてるんじゃないか?」と仰います!
職人技を持つ人は長命なのでしょうか?
「お元気で、まだまだ頑張って下さいね!」とお伝えしてお店を後にしました。
南仲通りの靴屋の窓ガラスには「シューフィッターのいる店」の貼り紙が見えます。
しかし「下駄・草履フィッター」は今後益々身近ではなくなっていくのか・・と残念な思いです。
和楽器もそう。継承する努力が必要だと改めて思いました。