明るく晴れ渡る空、11月最後の日曜日。
久しぶりの休日は、母を誘って寒川町までドライブ。
お目当ては「さむかわ冬のひまわり」というイベントです。
寒川町の温暖で穏やかな気候を利用し、これまでに延べ13万本以上を咲かせて来たのだとか。
九年目の今年はひまわり畑で摘み取り体験が出来るとのことで、ワクワクしながら行ってきました。
盛夏に咲く大輪のひまわりとは違う品種で、背丈の低い可憐なひまわりです。
今日は富士山や遠くの山の稜線もくっきりと見える晴天でしたので、咲き誇るひまわりの黄色もよく映えていました。
100円で五本摘み取れます。私はなるべく大きく咲いている花が欲しかったので、じっくりと品定め。
母は逆に小ぶりな花を摘んでいたのが意外でした。
来場の皆さんが思い思いにひまわり畑での時間を楽しんでいて、また地元のスタッフさんも気さくに声をかけて下さり、ゆったりとした空気が流れます。
日本が平和だからこそ、ですね。
さて、ひまわりが見たかった理由はもう一つ。
当教室の中学二年生女子が「ひまわり」(筑紫歌都子作曲)という箏二重奏曲を習得中です。
この曲は私の大好きな曲の一つでもあります。
まだ私が小学生の頃、師匠の稽古場には10代の若い生徒さんが何人もいて、そのお姉さん方が発表会で演奏する「ひまわり」がとても素敵で、いつか私も!と憧れを抱いていました。
若いお姉さんが弾くイメージと共に、私が心奪われた理由はその曲の面白さでした。
ドレミ調子を用いて作曲されており、その音階とリズムの複雑さが印象的で楽しい曲だったのです。
当時は今ほどポップスの公刊譜などが出回っておらず、お稽古するのは専ら純邦楽の調子の曲(平調子、雲井調子、中空調子・・)、いわゆる陰旋法といわれるもので、子供心に「箏の曲ってどれも暗いな~」との思いがずっとありました。
陰旋法ではない乃木調子や楽調子もありますが、これらは童謡唱歌や民謡調な雰囲気なので何だか物足りない。
今でこそ一般的に用いられるドレミ調子ですが、昭和52年作曲の作品としてはかなり斬新だったと思います。
先生にこの曲をお稽古して頂き、家で夢中になって練習!
小学校高学年頃に年上のお姉さんたちに仲間入りして「ひまわり」を発表した時の喜び!
胸にひまわりのワッペンの付いた段々フリルの夏のワンピースを着た私が、裾を広げてお姫様ポーズ(?)をとった記念写真の記憶が蘇ります。
写真に写ることがあまり好きでなかったはずなのに、余程気分が高揚していたのでしょうね(笑)
今思い出すと恥ずかしいですが、遠い遠い日の思い出です。
現代の中学生もこの曲が楽しいと言ってくれます。
今の若い人たちにも是非この名曲を伝えていかなくては!と、冬のひまわりを見て思いを強くしました。