来月6月1日(土)、浅草公会堂にて【森の会】定期演奏会が行われます。
東京藝術大学音楽学部、箏曲生田流専攻卒業生による演奏会です。
私は宮城道雄作曲【春の賦】に参加します。
この曲は昭和28年2月22日に日比谷公会堂で催された第17回三曲名流大会のために作曲されました。箏独奏と合奏群(箏2パート、17絃、三絃、尺八、フルート、笙、楽太鼓、締太鼓、ドラ)による大編成の曲です。
葛原しげるによる詩は「人生の春である青春の華やかさ、厳しさ」を季節の春に投影しています。そしてその詩を受けて宮城道雄は「若人に捧げるつもりで作曲した」と語っています。
箏奏者は弾き歌いで女声2部合唱、部分的に三絃や17絃奏者も歌うため4部合唱にもなり、楽器と声の華やかで美しいハーモニーが繰り広げられます。
3月初めに初顔合わせのパート練習がスタート、20分ほどの大曲を暗譜して(必死!)4月からの合奏練習に臨みました。
第一回目のホールリハーサル(試聴会)を聴いて下さった大先輩の先生から「合奏群の意識が低すぎる!」と非常に厳しいお叱りを受けました。
ただ暗譜して、ただ譜面通りに弾いて歌うだけでは全く聴くに値しない!
歌詞の内容を理解し、それにそぐう音を如何に紡いでいくのか・・どのように表現するべきなのか・・もっともっと深く考えて弾き歌わなければいけない。
試聴会後に行われた合奏練習ではソリストの帯名久仁子さんの指導が一段と熱を帯び、ほぼノンストップで三時間!
このピリッとした緊張感は大学時代の厳しいレッスンを思い起こさせます。
私が二十代の頃に大変お世話になった、最も尊敬してやまないプレイヤーの帯名さん。彼女の音を全身で感じ、その姿を脳裏に焼き付けます。
家に帰ってそれを思い出しながら、少しでも理想の演奏に近付けるように練習練習!
森の会会員は老いも若きも第一線で活躍する人が多数おり、この演奏会は私にとって最も良い勉強、良い励みになる場所です。
歴史ある森の会公演には固定客がたくさんおられます。
大変おすすめの演奏会ですので、ご興味のある方は是非ご来場下さい!