昨日はコカリナ奏者の野舘けい子さん「古希コンサート」の本番。
ロビーや舞台は手作りの装飾品で飾られ、ほっこり暖かい雰囲気です。
折り紙の薔薇は「福山ローズ」と言って、数学者の川崎敏和氏考案の「川崎ローズ」の改良型。広島県福山工業高校で考案・開発されたものだそうです。
折り紙とコカリナサークルのメンバー8人で【平和】を願って折った1000個の薔薇が、会場を彩っていました。
折り薔薇はコンサート後に来場者へプレゼントされました。
舞台仕込み後、野舘さんを中心にコカリナ、ギター、ピアノ、マリンバ、パーカッションによるリハーサルからスタート。
童謡唱歌やウクライナ民謡、サイモンとガーファンクル等、耳馴染みの良い曲や野舘さんオリジナル曲も演奏。
その後、私たち和楽器チーム、ゲストコーナーのリハーサルが始まりました。
一曲目「新曲ツルの巣籠もり」の演奏が終盤に差し掛かった時、突如「バンッ!!」という破裂音と共に衝撃が走り、一瞬思考停止した私。
「えっ!?えええ~~!?」「七の絃が切れた~~~!!!」
最悪の事態です(>_<)
語りの杉田先生がこちらを振り返り、「まずいことになった」と顔をこわばらせています。
替え三味線(本番中の糸切れに対応)はありますが、替え箏の用意は無いのです。
いまだかつて無い大ピンチ到来!!
とにかく無理やり手を止めずに弾き続けて曲の最後まで辿り着きます。
次の曲「新曲まんざい」も車人形とのリハーサルの為に続行。
絃が一本欠けただけで、こんなに弾きにくいものなのか・・・と初めての経験を噛み締めます。
まんざいを弾きながら私の頭の中を駆け巡ったこと↓↓
昨年の全国大会本番演奏中、十の絃が切れかかっていることに気付き、触らないように注意しながら最後まで弾いた女子高生は本当に偉かったな~!
ホールに最も近い和楽器店ってどこだろう? 代用の箏を手配出来る?
いやいや、開演まで一時間切ってるからもう間に合わない!
やっぱり自力で糸締めするしかない! 締め棒代用品って何があるだろう?
という訳で、動揺しつつも心を落ち着けて楽屋で糸締めをします。
共演者の和太鼓の撥を拝借し、締め棒代わりに。非常に適切な太さだったので、この撥があったことはとてもラッキーでした。
そして数十年前の学生時代の糸締め修行が本当に役に立ちました(^-^)
相棒のしげちゃんと力を合わせて、ギリギリ演奏出来る状態に楽器を復旧させることが出来、安堵の溜め息。
「色々とハプニングはあるけど、最後は何とかなるものよ!」と明るく言ってのけるしげちゃんのおおらかさに救われる思いです。
本番の幕が上がり、新曲ならぬ難曲「ツルの巣籠もり」の演奏スタート。
押し手と転調のオンパレードで、締めた絃が一気に緩んでしまわないか冷や冷やしながら進行。
最後まで弾き終えて一先ずホッとしたのも束の間、次のまんざいの調絃で琴柱のバッティングが発生する事に気付き、再びピンチ!一難去ってまた一難とはこのことです。
爪箱の中に確か三段小柱があるはず!あってくれ~!と祈りつつ足元の爪箱を探ります。「あった!助かった(泣)」
大至急、添え柱を追加して調整し、なにくわぬ顔で演奏をスタートさせ、胸を撫で下ろしました。
神様、幾つもの試練をお与え下さりありがとうございます(涙)。
観客席に補助椅子を出す程の大入り満員の会場で、お客様は声をあげて「まんざい」の舞台を楽しんでいます。
観客の反応が良いと演者の私たちも気分が上がり、会場はどんどんハッピーな空気に包まれて行きます。
今回のコンサートは色々と稀有な経験となりました。
終わりよければ全て良し!