12~13世紀の三浦半島で大きな力をもった武士・三浦一族。
鎌倉幕府成立前後の彼らの地位を象徴するように、横須賀・三浦半島には一族ゆかりの寺が多くつくられ、当時一流の仏師の手による仏像が安置されました。
うち6躯が国指定重要文化財です。
三浦一族の一人、和田義盛(わだ よしもり・1147~1213)の依頼で仏師・ 運慶(うんけい・?~1223)が制作した阿弥陀三尊像(あみださんぞんぞう)、不動明王像(ふどうみょうおうぞう)・毘沙門天像(びしゃもんてんぞう)は、まさにその典型です。(すべて横須賀市芦名、浄楽寺蔵)
本展では、この運慶作の五つの仏像を中心に、義盛の所持と伝わる薬師如来像(やくしにょらいぞう・三浦市初声和田〈はっせわだ〉、天養院蔵)、三浦半島の宗教的先進性を伝える南宋からの舶来仏で、滝見観音(たきみかんのん)の名で親しまれてきた観音菩薩坐像(かんのんぼさつざぞう・横須賀市大矢部、清雲寺蔵)を含め、東国武士の祈りを受けとめた全9躯の貴重な仏像をご紹介します。
なお、本展は「運慶と鎌倉」をテーマに、神奈川県立金沢文庫、鎌倉国宝館とともに開催する連携展示のひとつです。
鎌倉幕府と三浦一族、そして運慶が結びつくことによって生まれた、この地域における中世仏教文化の至宝を、館ごとに異なるテーマによって、ご覧いただきます。
現在、運慶の真作として確実視される像は、諸説あるもののおよそ30躯といわれます。
実は、その貴重な真作のうちの5躯が、横須賀市芦名の浄楽寺に安置されています。
今回の「運慶展」ではその5躯が美術館にそろってお出まし。地元・横須賀美術館での公開はもちろん初めてです。
浄楽寺の収蔵庫改修にともなう、この二度とない機会をどうかお見逃しなく!
●見どころ2
三浦一族の篤い信仰心を伝える意外な仏像たち
鎌倉幕府成立前後の時期、横須賀・三浦半島を拠点に大きな力を持った三浦一族は代々、仏教に対する信仰心が篤く、この地域で多くの寺院や仏像の造立に関わっています。
今回の運慶展では、中でも特に意外性がある二つの仏像をご紹介。
1.中国からやってきた13世紀の仏像
京都・泉涌寺(せんにゅうじ)の「楊貴妃観音」とも似た、中国・南宋時代(13世紀)の作と見られる観音菩薩像が、なんと横須賀に伝わっています。運慶の像とは印象が違いますが、三浦一族の末裔・佐原家連(さはらいえつら)ゆかりの像ではないか、との説があります。
2.三浦半島に伝わる高水準の仏教文化を示す11世紀の仏像
11世紀の作とみられる薬師如来像。京都から遠く離れた東国の、この三浦半島という限られた地域で、古くから高度な仏教文化が育っていた事の証です。
一つの木のかたまりから彫り出す「一木造(いちぼくづくり)」で、制作時期は運慶の時代を約100年さかのぼるものとみられます。
●見どころ3
「運慶と鎌倉」をテーマとする3館連携展示で中世の三浦半島を深掘り。
2024年10月19日(土)~12月1日(日)「鎌倉の伝運慶仏」鎌倉国宝館
2024年11月29日(金)~2025年2月2日(日)「運慶-女人作善と鎌倉幕府」神奈川県立金沢文庫
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開催期間 | 2024年10月26日(土) 〜 12月22日(日) |
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時間 | 10時~18時 無料観覧日:11/3(日・祝) |
場所 | 横須賀美術館 (神奈川県横須賀市鴨居4-1) |
料金 | 一般 1,000(800)円 ※( )内は20名以上の団体料金 |
アクセス | 【鎌倉・藤沢など神奈川県西部からお越しの場合】 【東京・横浜方面からお越しの場合】 【駐車場】 |
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主催・協賛団体など | 主催:横須賀美術館 |
TEL | 046-822-4000 |
お問い合わせ先 | 横須賀市コールセンター (月~金:8時~18時、土日祝:8時~16時) |
ウェブサイトURL | https://www.yokosuka-moa.jp/ |