新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、飲食店の利用を控える動きが広がる昨今。
イベントやお祭りではなく、開けた広場に湘南グルメの“出張催事場”とも言える場を設ける試み「機動☆湘南グルメ市場」が、ここ茅ヶ崎で始動している。店舗が定休日で利用の無い駐車場を借り受けた広々とした会場に、地元で活動中のキッチンカーが集合。
様々な店舗の総菜、弁当、冷凍おかずなどを購入することができる。
感染のリスクが高まる「換気の悪い密閉空間」「多数が集まる密集場所」「間近で会話や発声をする密接場面」の“3密”を避けるため、キッチンカー同士は大きく距離を開けて配置。
会場に飲食のためのスペースは設けず、シンプルにテイクアウトの販売のみに留めるなど、来場者の滞留を生まないように考えられているという。
発起人は同市内在住の早坂幸一さん(文筆家)。本業とはまったく異なるこうした地域活動に関わることになったのは、「ほんのふとしたきっかけから」。4年前にとあるイベントを手伝い、その流れで様々な地域のお祭りやイベントに携わるようになったのだとか。
今回の企画に際しては、「まず、新型コロナウイルス感染症が拡大し、外出の自粛が進む中『このまま地域全体が沈滞していっていいのかな』という思いがありました。地元のイベントもほぼ100%が中止。これまで知り合ったキッチンカーのオーナーさん達も販売の場を失い困っていることを耳にして、安全を大前提に、“集客しないでもできること”が何かないかと考えたんです」(早坂さん)
そこで、お祭りなど「人の集まる所へ出向く」というキッチンカーの基本発想を逆転させ、近隣に買い物の当てがないような人手の無い場所に出店、往来する地元住民の方々へ販売する形態を考案したという。
「今、スーパーなどの食品売り場は却って混んでいたりします。だからこそ開けた、人と人との距離がしっかり取れる野外で、普段はお店に行かなければ食べられない色々な味をストレスなく買って帰ってもらえれば。自粛で毎日の献立に困っている方へのアシストにもなるかなと思います」(同氏)
第1回は3月31日(火)に、茅ヶ崎市今宿のレストラン「なんどき牧場」の駐車場で実施。
取材当日の4月7日(火)も同じ会場で、メンチカツ、カレー、鮎の塩焼き、ホットドッグ、タコ焼きや唐揚げ、メキシコ料理などバラエティに富んだメニューが一堂に会した。
キッチンカーで焼き上げたBBQステーキを提供する「EnKei Food & Wheelz」は、今年の1月にフードトラックを開始したばかりだったという。代表取締役の久保マコトさんは、
「主に神奈川エリアのスポーツイベントを回っていたのですが、その矢先にウイルス騒ぎが起きてしまい…。早坂さんとのご縁でこちらの企画に参加させてもらうことになりました。お客様は間隔を明けて列を作ったり、手指の除菌など、意識を持って快く協力して下さり、会場全体がとてもいい雰囲気に包まれていると感じます。依然厳しい状況ですが、おいしいBBQを多くの人へ届けたいという思いで始めたことなので、提供の場があることで私たちも気持ちが浮き立ちます」。
「あまり大々的に告知・集客は出来ないので、売り上げもゆる~い感じです。それでも、外食産業が軒並み危機を迎えている中、地元のお店が集まり、頑張っている姿が見せられるだけでも良いのかな、と。ウイルスが収束した後に、忘れないでいて欲しいという気持ちで行っています」(早坂さん)
今後も安全に留意しながらも、会場の追加や形式のブラッシュアップ等、新たな展開も模索。終息後も定番化できるイベントとして育てていくことを目指すという。
次回は4月12日(日)、菱沼の複合施設「ファインヴィレッジ げんき村」で開催。最新情報は、Facebookグループで発信中!
「機動☆湘南グルメ市場」
■次回:2020年4月12日(日)、11時半~15時半(予定)
■会場:「ファインヴィレッジ げんき村」茅ヶ崎市菱沼1-4-7 (おざさ医院隣接)
■問い合わせ:TEL090-3810-4523早坂さん
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