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【茅ヶ崎】誰でも名作映画に触れられる地域の無料上映会。「湘南映画上映会」は今年で16年目

記事公開日:2024/10/30

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茅ヶ崎市図書館で継続的に開催されている名作映画の上映会「湘南映画上映会」
市民有志による団体「シネマテーク茅ヶ崎」が2008年7月に発足以来、コロナ流行による休止も乗り越えて今年で16年目を迎えます。

同上映会は第1期(2008年10月~)が「世界映画史に残る名作鑑賞会(無声映画)」、第2期(2011年3月~)が「湘南映画芸術家の賛歌(日本映画黄金期)」、といった形で大枠の主題に沿った映画を系統立てて上映しており、第4期現在のテーマは「ワールドシネマ」

去る10月20日(日)の第56回では、エチオピア映画「テザ 慟哭の大地」(2008年)が上映されました。

上映作品を選定しているのは、シネマテーク茅ヶ崎の代表を務める福田浩三さん。

「日本国内で所謂“海外映画”と言えばハリウッドやヨーロッパ映画が主流。これまであまり見られてこなかった国の映画、特に過去の名作はソフト化していない作品も多く、中々見る機会もその方法も無いのが現状です。
こうした作品群にスポットを当てることが今期のテーマ。アフリカ映画も『インビクタス 負けざる者たち』などアフリカを舞台にしたものは数あるものの、アフリカ人監督によるものは日本では中々見ることが出来ません。今回の上映作品を決めるのも大変でしたが、やっと辿り着いたのが本作でした」(福田さん)

「テザ 慟哭の大地」はエチオピア人映画作家、ハイレ・ゲリマ監督による2008年の映画。
1970年代、クーデターによる政変で混乱下にあったエチオピアで、故郷の人々を救いたいという高い志を持ちながらも内戦、人種差別といった様々な障壁に阻まれ、苦悩しながらも自分を見失わないよう生き抜く姿を描く内容で、2008年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞、脚本賞、SIGNIS賞をトリプル受賞するなど、世界的にも高い評価を得ています。

 

 

「アフリカは55か国もの独立国がひしめき、歴史上、内戦が起きていない地域は無いのではないかというくらい、多くの内戦に晒されてきました。『テザ 慟哭の大地』は監督の自伝的作品でもあり、こうしたアフリカの文化的・歴史的背景や未だ抱える問題を知るためにとても参考になると思います」とは、上映前の福田さんの言。

140分の大作のため、途中5分の休憩も挟まれましたが、壮大な物語にぐいぐい引き込まれ、私も含め皆さん見入っている様子でした。

前回、今年6月に行われた、1964年東京五輪のドキュメンタリー「東洋の魔女」上映回は同会15周年特別企画であったこともあり、特別ゲストとして同作にも登場する金メダリスト、田村(旧姓 篠崎)洋子さんも登壇。会場は入り切れない程の盛況であったとか。
「コロナで一度休止を余儀なくされる以前には、錚々たる映画人の方がゲストトークにお越しになってくれていました。これは福田さんの活動を通じての人脈によるもの。お客さんとしても別の映画会を実施されている方が来られて私たちと情報交換したり、映画を通じて交流が生まれ、広がっていくのもこの会の特徴で、魅力かなと思います」(シネマテーク茅ヶ崎スタッフ・齋藤謙一さん)

▲写真左=シネマテーク茅ヶ崎代表・福田さん。写真右=同スタッフ齋藤さん

 

毎回、来場者に配られる冊子は情報量たっぷり。今号も作品解説は勿論、アフリカ映画史や関連作品にも触れる充実の内容で、「作品を見て終わり」ではなく興味の広がりを助けてくれます。

次回は2025年6月頃、オセアニアの映画を上映予定。
上映作品は現在、鋭意リサーチ中との事。

まだ見ぬ、世界の“知る人ぞ知る”名作に出会える貴重な映画会。ぜひお楽しみに!

 

■湘南映画上映会

・年2回、「茅ヶ崎市立図書館」にて開催
・茅ヶ崎市東海岸北1-4-55(茅ヶ崎駅南口)
・入場無料、予約不要(当日受付・先着50名)
・連絡先:0467-86-6751 シネマテーク茅ヶ崎 福田さん
シネマテーク茅ヶ崎ブログ