茅ケ崎駅南口エリアの「氷室椿庭園」。椿の見頃は3月中旬~下旬がピーク
茅ヶ崎駅南口から海へ向かって徒歩20分。閑静な住宅地にある「氷室(ひむろ)椿庭園」の椿が、3月下旬にかけて見頃を迎える。約200種類を超える椿の中には同園でしか見ることができないという改良品種もあり、週末には例年市内外からの来園者も多いとか。
元々は個人(三井不動産元副社長である氷室捷爾〈しょうじ〉さん・花子さん夫妻)所有であった庭園を遺族が茅ヶ崎市に寄贈し、1991年(平成3年)10月より「茅ヶ崎市氷室椿庭園」として開園。椿をメインに、松、バラなど1,300本におよぶ庭木類が植えられている他、庭園内の北側にある旧氷室邸は、お茶や生け花、俳句などの会場として借りることもできる(現在利用休止中)。
色とりどりの椿は約200種類以上。氷室さんの名前を冠した「氷室雪月花」も美しい
2月下旬から咲き始めた椿だが、一番多くの品種が開花し、早咲きや遅咲きの両方を楽しめるのは3月中旬~下旬頃。
氷室さんが名付けた「氷室雪月花」も、現在、白や淡桃色の地に紅色の絞りが美しい見事な花を咲かせている(写真左下)。
「椿は赤や白、ピンクとさまざまな色があり、特徴もまたそれぞれで、一つの木から咲いた花でも、斑(白い斑点)の入り方が異なります。そういったところを含め、おしべの形、枝や葉の形・色、散り方、落ちた椿も見ていただくと、より一層楽しめると思います。ゆっくりと庭園を周りながら、お好きな椿を見つけていただきたいです」(同庭園管理人)
日一日と開花状況が大きく変わるとのことなので、何度でも訪れて楽しむことができそうだ。
★2024年4月、(公社)日本植物園協会ナショナルコレクションに認定!
氷室捷爾さんが作出した同園のツバキ40品種が2024年4月、(公社)日本植物園協会の「ナショナルコレクション」に認定。
「ナショナルコレクション」は秋篠宮皇嗣殿下が総裁を務める(公社)日本植物園協会が、「野生種、栽培種に関わらず、日本で栽培されている文化財、遺伝資源として貴重な植物を守り後世に伝えていく」ことを目的に制定した制度。氷室椿庭園の椿は2024年4月25日~2029年4月24日迄の期間、「茅ヶ崎市氷室椿庭園 氷室氏作出ツバキコレクション」として認定される。
同園は2024年8月1日~18日までの期間、認定証及び認定盾を敷地内の旧氷室家住宅母屋に展示を行う。※入室は不可
庭園:2月~4月 9時~17時、5~1月 10時~16時
和室:(申込制)9時~21時
※和室は現在、建物の耐震性能の問題により利用中止しています