小学館から刊行されている“大人の生活誌”「サライ」。
同誌が創刊30周年を迎えるまさにその日2019年9月9日(月)に、長谷川書店ネスパ店にて記念の講演を開催致しました。
講師は今年7月までの5年間、サライの編集長を担当された小坂眞吾さん。
7月からは新たに「サライ」の他、「B-PAL」「DIME」などの雑誌も統括して扱う「ライフスタイル局」のプロデューサーに就任されています。
講演のタイトルとなっている「好奇心は歳を取らない」―これは、小坂さんが5年間の間、編集に於いて1番大事にしていたキャッチフレーズなのだとか。
「読書も体力や頭を使うもの。更には視力が落ちたりなど、年を取ると活字を追うこと自体が若いころよりも大変になります。
それでも、本を読みたいと思うのは何故かというと、そこに人が生きる上での『知への欲求』があるのではないか」
「何故、何のために人は生きているのか?」という疑問を、幼少期から心に抱くことが多かったという小坂さん。
サライ誌面でも、「生きることの意味を知りたい」という好奇心の源泉に触れることを目指していたそうです。
「サライでは旅や食にまつわる特集が組まれることも多いですが、ただ『これがおいしい』『ここが楽しい、景色が奇麗』に留まらず、食べ物なら地のものをおいしく食べようとする工夫、旅行ならその土地に根付いた歴史、先人たちの作り上げてきた文化に思いをはせるなど、常に『命』の存在を顧みて、敬意を払うように留意していました。
人がおいしい食べ物や旅行を求める理由も、『感動』を求めているからではないか。その感動が『生きている意味』を見つけることに繋がるからではないかと思うからです」
サライはシニア層がメインの購読者なのだそうですが、小坂さんは編集部スタッフには常に「中高年の雑誌と思うな」と伝えていたのだとか。
「世代を意識して記事作りをするのではなく、生きることの喜びを伝えなさい」。
このような思いが、人の知的好奇心を刺激する誌面を生み出していたのですね。
サライ創刊30周年記念号(10月号)は、長谷川書店で発売中!
今月の大特集は「名庭と出会い、骨董に憩う 京都 日本の美の原点へ」。71ページ保存版です。
次回の読書お楽しみ企画もどうぞお楽しみに!