海を渡った版画家 山岸 主計(かずえ) ー藤沢市所蔵作品を中心にー

 山岸主計(やまぎし・かずえ )は、1891年長野県上伊那郡美篶村(現・伊那市)に生まれ、15歳で 上京し木版彫刻家・武藤李吉に師事します。やがて師匠に代わり読売新聞社に出勤し挿画の彫りを担当し、木版の腕を上げました。黒田清輝率いる葵橋洋画研究所で美術を学びながら彫師として活躍。1926年には文部省より欧米における版画についての調査を託され渡航、各国 で視察と版画の実技を行いながら、後に着手する「世界百景」の写生を進めます。
 帰国後は、 絵を描き、版を彫り、紙に刷るまでを単独で行う創作版画に取り組む一方で、横山大観や石川寅治ら有名画家の作品を版画にするなど、精力的に活動しました。戦時中は従軍画家としてアジア諸国へ赴き、戦地の光景を作品に残しています。
 戦後は藤沢に移住し、日本の風景画を手掛け、各地で個展を開催するとともに、サンフラ ンシスコ平和条約調印時には、当時の首相吉田茂の依頼でクリスマスカードを作成するなど国際貢献にも努めます。
 藤沢市美術家協会には創立当初から参加し、藤沢市展に第1回から 出品するなど本市の文化振興にも寄与しました。
 1983年に伊那へ戻った主計は、翌年94歳 でその生涯に幕を下ろしました。

 本展では、藤沢市が所蔵する主計作品を中心に、世界の風景や人々の暮らしを描いた前出 の「世界百景」シリーズ、日本の名所や風俗を作品化した「日本百景」シリーズなど、創作 版画家・山岸主計の代表作を紹介します。また、名だたる画家たちから高い信頼を得ていた 彫り師としての功績にも焦点を当てます。

  • 開催日2018年3月3日 (土)~ 2018年5月6日 (日)
  • 時間10時~19時(入場は閉館の15分前まで)
  • 場所藤沢市アートスペース(展示ルーム1.2)
  • アクセス【電車】JR辻堂駅東口改札、北口出口より徒歩5分
    【バス】神奈川中央交通バス「神台公園前」下車すぐ
  • 料金無料
  • 主催・協賛団体【主催】藤沢市,藤沢市教育委員会
    【協力】伊那市創造館,信州高遠美術館,公益財団法人藤沢市みらい創造財団 ,ココテラス湘南
    【後援】神奈川新聞社,株式会社ジェイコム湘南,藤沢エフエム放送株式会社
  • 関連サイトhttp://www.city.fujisawa.kanagawa.jp/bunka/FAS/
  • TEL0466-30-1816
  • TEL0466-30-1816
  • お問い合わせ藤沢市アートスペース
  • 備考第一期|3月3日(土)-4月1日(日) 第二期|4月7日(土)-5月6日(日)
    ※月曜日休館(月曜日が祝日の場合、翌火曜日が休館)
    ※4月3日(火)-4月6日(金)は展示替えの為休館 

アクセスマップ

【第一期】 

主計は、文部省辞令「欧米各国に於ける版画に関する取調を嘱託す」を受け、 1926年から1929年まで渡航しました。諸国の風景や風俗文化に触れ、版画家としての 存在意義を再認識し、これらを多色摺木版画にして後世に遺したいという思いを強めま す。第一期では、欧米での経験から生まれた「世界百景」シリーズ、蒙古、満州、朝鮮 半島取材、また従軍画家として見たアジアを描いた「大東亜戦争・東亜百景」シリーズ、 油画等を紹介します。

【第二期】

世界に広く目を向け活動する一方で、日本各地の風景を描いた木版画も多数 作り上げてきた主計。故郷・伊那、そして第二の故郷・藤沢ほか、鎌倉や日光など親し みのある図版は、多くの要望を受けてクリスマスカードや書簡用の小型版画も作られて います。第二期は、「日本百景」シリーズから抜粋した作品、戦後の旅を通じて制作さ れた仏像の版画などの展示に加え、『大近松全集』など木版師としての卓越した技量を 示す作品も紹介します

「担当学芸員による展示解説」 

4月7日(土)
●時間 14時~15時
●会場 展示ルーム
※申し込み不要、参加無料。当日、展示ルームにお集まりください。