2017年4月26日

茅ヶ崎ゆかりの2人の作家の「人」と「作品」を知る企画展~「開高健・城山三郎二人展」開催





茅ヶ崎にゆかりのある二人の作家・開高健と城山三郎の功績と実像を紹介する企画展「開高健・城山三郎二人展」が開催中だ。会期は9月30日まで。「茅ヶ崎ゆかりの人物館」と、「茅ヶ崎市開高健記念館」の2館が会場となる。
隣接し合う両館が合同で1つの企画展を行うのは今回が初めての試み。
 
茅ヶ崎ゆかりの人物館では、城山三郎氏に関する展示を担当。第一部と第二部に分かれ、第一部は「城山三郎の生涯と文業」と題し、氏の生涯と著作について解説する。
歴史小説、伝記、エッセイ、翻訳、詩など多岐に渡る分野で多くの著書を残し、特に経済小説の開拓者として知られている同氏。1927(昭和2)年に名古屋で生まれ、茅ヶ崎に移り住んだのは1957(昭和32)年12月、30歳の折だった。

館内に足を踏み入れてすぐの一画には、茅ケ崎駅南口のマンション10階の一室にあった仕事場が再現されている。
海を愛し、海の見える家に住むのが長い間の夢だったという氏は、ここで真正面に烏帽子岩、左手に江の島、右手に伊豆半島を臨みながら執筆に励んでいたという。


 


努力家で成績優秀だった幼少・青年期の姿が伺える当時の成績表や蔵書、「気骨の作家」と呼ばれた取材に対する姿勢を示す取材時のスケッチといった展示物は、殆どが氏の親族、または名古屋市の「文化のみち二葉館」から借用したもの。
茅ヶ崎を拠点に活動する「城山三郎湘南の会」が選出・紹介する「5冊の名作」は、これから作品に触れる際の指針にもなりそうだ。
   
 第二部は「城山三郎を見つめる眼差しと語る言葉」と題し、趣味人、家庭人としての城山三郎の姿をとらえる内容。ゴルフクラブ、囲碁盤、囲碁教本、旅行先や空手道場での写真、妻・容子さんへ宛てた手紙や、交流のあった作家らから贈られたサイン本などの愛用品、私物といった資料から、多くの趣味を持ち、動物好きで愛妻家と、優しい人柄だったという氏の人となりが浮かび上がる。




パネル展示「私と城山三郎」では、家族をはじめ、空手道場の館長、カフェやレストランのオーナーといった、地元で交流のあった人たちの思い出やコメントを展示。ゆかりの地についても紹介する。 
「同館が2015年2月にオープンして以来、クオリティ、ボリューム共に特に見ごたえのある内容になりました。子どもたちや学生さんは、城山さんの作品にまだ触れたことのない方も多いかと思いますが、まずは自分たちの住むまちに『こんな先輩がいたんだ』ということを知ってもらえるとうれしいです」(茅ヶ崎市文化生涯学習課・関さん)


茅ヶ崎市開高健記念館で展開する開高氏についての展示も、城山氏の展示と対になるように構成されている。
企画展示の入口にまず、同氏が1989年に亡くなって間もなく撮影された、当時の書斎のパネル写真が掲げられている。机上には多数のベトナム戦争に関する書籍が並び、氏の心身と作品に大きな影響を与えた1964(昭和39)年の従軍取材以来、生涯のテーマとして死の直前まで取り組んでいたことが垣間見える。

          

続く展示コーナーでは青年時代の家族写真や、愛用していた机、処女作が掲載された同人誌から、未完に終わってしまった「花終わる闇」の原稿などが並び、少年時代に作家になると固く決意し、大阪市住吉区の実家から上京した青年時代から、病に苦しみながらも、作品を書き上げることへの鬼気迫るような熱意を持ち続けていた最晩年までの生涯を辿る。
同人誌時代の習作や国語の教科書にも掲載された「任意の一点」の直筆原稿は本邦初公開。



          
趣味のルアー、パイプ、バイブルとしていた愛読書「釣魚大全」といった趣味の私物の展示、生涯を通じて親交が深かった編集者・西永達夫氏をはじめ、田辺聖子や吉行淳之介、山口瞳ら作家仲間が記した氏に関する記述を集めた「私と開高健」コーナーからは、作品はもちろん趣味も「とことんまで極めなければ落ち着かない完璧主義者」であり「こだわりの人」、一方でユーモアを忘れず、友人や仕事仲間を楽しませた「サービス精神旺盛」な姿など、氏の様々な側面が見えてくる。


「文学作品の熱烈なファンから、釣り好きでそちらから開高さんを知った方まで、様々な方にご来場いただいています。開高さん本人が、作品も人柄も多面的で、興味が尽きないような方でしたから、皆様それぞれの視点から展示を楽しんでいただければと思います」(開高健記念会事務局長・森敬子さん)
 
【日時】2017年4月15日(土)~9月30日(土)、10時~18時(入館は17時半迄)
※金曜、土曜、日曜、祝日開館
【場所】「茅ヶ崎ゆかりの人物館」(地図)・「茅ヶ崎市開高健記念館」(地図
※コミュニティバス「開高健記念館」下車すぐ
【料金】各館観覧料200円・共通観覧料300円 (18歳未満・高校生以下無料)
【内容】茅ヶ崎ゆかりの芥川賞作家の開高健氏と、直木賞作家の城山三郎氏。
文学界を代表する二人の文業を紹介するとともに、一市民として茅ヶ崎を愛した側面にもスポットを当てる
チラシ(クリックでPDFが開きます)

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【問い合わせ】TEL0467-87-0567茅ヶ崎市開高健記念館 http://www.kaiko.jp/
TEL0467-81-5015 茅ヶ崎ゆかりの人物館 
茅ヶ崎ゆかりの人物館・茅ヶ崎市開高健記念館  Facebook
 

≪関連催事≫
・特別講演「開高健~生きた、書いた、ぶつかった!」 ※定員に達したため受付終了
4/29(土)13時半~15時、茅ヶ崎ゆかりの人物館 多目的館
講師:小玉武さん(ノンフィクション作家)
行動的な作家であった開高健は、企業文化にも多くの業績を残した。
開高健との長年の交流をもとに、その素顔を紹介。
定員:各30名
問合:TEL0467-82-1111 茅ヶ崎市文化生涯学習課文化推進担当
 
(更新日:2017.4.26)
 




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